ひばりっこブログ

時代の節目を迎えて・・・

 平成最後の年が明けた。今年の5月1日からは新しい時代を迎えることになる。昭和を懐かしむ年代の1人としては早くも3つ目の時代を生きることになると思うと、なんとなく複雑な心境である。
 さて私は昭和63年4月より本学園にお世話になり、30年間勤続している。赴任した初年度に、わずか1週間の昭和64年と、「平成」という新時代の幕開けを経験した。正月気分に浸っている中、当時の官房長官であった小渕恵三氏が「平成」という新元号を発表した場面は今でも強く心に残っている。それから30年、屋外にあった25mプールが平成2年には屋上プールつきの体育館として完成したり、平成16年までは1学年3学級だったのが、虹組を加えて4学級になり、それに伴い中央棟が建てられたりと小学校は目まぐるしく変わっていった。
 変わっていったのは器だけではない。元校長、町田秀夫先生が小学校創立当時からの「高く 豊かに たくましく」という教育理念を本校の教育目標として具現化して、教育活動に浸透させた。そしてこの教育目標は、20年以上たった現在でも本校の指導方針の中核をなしている。「基礎学力を定着させて正しい判断力と高い学力を身につけさせる」「気品のある、人間性豊かな子どもを育てる」「たくましい心と体を持ち、明るくはつらつとした子どもを育てる」という3つの願いを達成させるために、授業のさらなる工夫や「ひばりタイム」、あいさつ運動や正しい言葉遣いなどについて、全教員で継続的に取り組んでいる。また、創立の精神である「親孝行な人は どんなことでも りっぱにできます」という鳥井信治郎先生のお言葉は、70周年を迎える今でも本校でのいろいろな指導に活かされている。
 さて、私は雲雀丘学園が大好きである。アットホームな雰囲気、緑豊かな自然環境、協力的な保護者が多いこと、基礎を大切にした上での発展的な学習指導、そして教員達のチームワーク・・・昔から変わらない、他の学校に負けない魅力であると思っている。大好きな学園だから、娘を中山台幼稚園から中高まで15年間雲雀丘に託した。本人は「ひばりでよかった」と喜んで卒業していったし、私自身も雲雀丘に娘を託してよかったと心から思っている。さらに最近は、自分が担任をしていた小学校卒業生が立派な保護者になり、そのご子息・ご令嬢を本校に入学させるということもあり、本当にうれしい限りである。このようなつながりもまた、本校の魅力だと思う。
 私は学校に通う児童の理想像を持っている。それは、朝「行ってきま~す」と元気よく学校を出て、「ただいま~」と弁当箱を空っぽにして帰宅する。そして晩ご飯の時には1つでいいから、その日学校で起こった出来事が話題になるといった単純なことである。そのようなほほえましい日常が家族の幸せを呼ぶのではないだろうかと思う。
 時代の節目を迎え、「温故知新」という言葉の意味通り、雲雀丘学園ならではの、昔からのよいところを受け継ぎながら、新しい時の流れに乗るよう努力しつつ、強い思いを持ってますますの学園の発展に貢献し続けたい所存である。