校長室の窓から

世界と戦うーvol15

 数日前、日本人小林圭さんがオーナーシェフを務める”レストラン ケイ”がミシュランの三つ星を獲得し、話題になりました。日本人オーナーシェフとしては初の快挙です。三ツ星はフランス全土で29店、うちパリに10店しかありません。曰く、「それのために旅行する価値のある卓越した料理」を出すお店としてランクされたわけです。

 日本でいえば、日本料理、割烹やお寿司の三ツ星店のオーナー料理人がフランス人だったらどうでしょうか、びっくりしますね。日本の文化や歴史を知り、日本人の味覚や美的感覚、おもてなしの心なども身につけないとこのクラスの料理にはなりえません。フランスとて、同じでしょう。二十歳過ぎから単身フランスに乗り込み、二十年間、並大抵の苦労、努力ではなかったはずです。しかも圭氏は「これからが始まり。格付けは毎年見直される。現状にとどまっていては絶対に星は維持できない。これからも挑戦し続ける」とおっしゃっています。また、こんなこともインタビューで応えていました。「フランスに来て自分を変えた。はっきりと厳しく主張する。」ちなみに日本人シェフの会合には参加しないとも言っています。異国で同胞が集まると苦労話や不満話になりがちで前向きな話にならないからではないかと推察します。

 世界で戦っていくということは小林オーナーが言いうようにしっかりと自分の持つ武器に磨きをかけ、力強く主張していくことから始まるのだと改めて思いました。本校が掲げるように、たくましく、自立していくことが必須でしょう。何年後かには多くの卒業生が当たり前のように海外へ飛び出し活躍している、そんな子どもたちが育つ小学校に成長していきたいものです。