校長室の窓から

聖火リレーの思い出

 5/23と24の2日間,兵庫で東京オリンピックの聖火リレーが行われました。兵庫は広いので,北側のルートと南側のルートに分かれています。残念ながら沿道の密を避けるために,南側のゴール地点の姫路城では,23日にトーチからトーチへと聖火を受け渡す「トーチキス」という形で行われました。北側の篠山城会場は,24日に約20mの聖火リレーが行われましたが,いずれも無観客でした。オリンピックの聖火リレーをひと目見たいと思った人にとっては残念なことになりました。

         

 1964年の東京オリンピックでは,兵庫に聖火が来たのは,9月23日と24日の2日間でした。当時,台風20号の影響で雨模様でした。3歳の私は,母に手を引かれて姫路市の公会堂の前から国道2号線を走る聖火ランナーを見ました。白バイの先導で,白いけむりを上げた聖火のトーチを持ったお兄さんが,私の目の前を西から東へあっという間に通り過ぎたのを今でも覚えています。小雨模様の中,ランナーが近くに来るまでに長い間待っていたことと,南側の歩道で見ていたので,たくさんの人が北側の東行き車線の歩道に見物に来ていたことが印象的でした。
 傘を差して家から30分歩いて公会堂まで来て,30分ほど待って見たランナーがすぐに通り過ぎたのがあっけなくて,帰り道に近くのお餅屋さんで,母にぼた餅を買ってもらって帰ったことまで鮮明に覚えていました。
 オリンピックの実施には,賛否が分かれているようですが,子ども達にとって,東京オリンピックにかかわる思い出が何か心に残るといいと願っています。コロナの影響で1年延びたことも,ある意味思い出に残る出来事かもしれませんね。
 

    

 その後,私が見た聖火リレーは,兵庫県庁から大阪府庁までの39.5㎞が,残念ながら台風の影響で中止になり聖火は車で運ばれたそうです。当時,中高生で走るはずだったランナーの方々10人が,「56年目のファーストランの会」を結成して篠山会場でリレーに参加されました。 (「ヒョーゴアーカイブス」より写真転載)