校長室の窓から

過ちは繰り返しませぬから

            

 広島平和公園の慰霊碑の前の碑には,「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」と刻まれています。この文には主語がありません。原子爆弾は、街を一瞬のうちに壊滅させ、罪もない子どもから老人まで多くの尊い命を奪いました。『被害者である日本が「過ち」を犯したかのような文言となっており,改めるべきではないか。』と言う意見もありますが,B29 から投下した,アメリカ軍の「過ち」であることは確かなのですが,占領下の日本では,その様な意見や批判は禁じられていました。そこで,広島市は全世界の人々,人類全体が主語であると解釈されるような文言に決めたそうです。
 しかし,1945年8月9日から今日に至るまで,核兵器が使われたことはありませんが,国と国の争いや民族間の紛争はなくなっていません。ウクライナの報道は毎日のように犠牲者の多さを伝えています。核兵器を使用することだけが「過ち」ではないのは明白なのにです。
 広島の地に立って,様々な気持ちを巡らせて,各々の思いを持った子ども達のこれからの学びに期待したいと思います。