校長室の窓から

73回生 巣立つ

 卒業生の皆さんは,感染予防の制限の中,この1年,最高学年にふさわしい成果を上げ,心も体も大きく成長し,いろんなことを学びました。それらのことを基礎にして,これからも大いに頑張ってほしいものです。
 それでは,何をどのように頑張ればよいのでしょうか。
 植物を例にとってお話をします。低学年のベル広場には,1957年に第7回生の卒業記念樹として植えられ,60年以上私達を見守ってくれている二本のメタセコイアがあります。これからの成長を,このメタセコイアに当てはめてみますと,皆さんは,ちょうど66年前に植えられたばかりの記念樹だと思います。まだ,根付いてはいないけれど地面に根を張ろうと伸びている年齢なのです。
 植物の根が表面から見えないのと同じように,人間としての内側,例えて言えば,困難に打ち勝つ強い精神力,続けて物事に取り組む粘り強さ,善悪を見極めて正しい行動をする力,欲望を押さえ我慢する力,人への思いやりの心,そして親に感謝する親孝行の心など,これからはそれらのものをしっかりと育てて欲しいと思うのです。そして,自分というものを高めていく努力をしてもらいたいのです。ベル広場のメタセコイアのようにしっかり根を張り,たくましく伸びてくれることを,心から願っています。                                    (式辞抜粋)