心まにまに
2021/08/18
思い出の先生
私が小学2年生のときの担任の先生は、
年配の男性でした。
お名前は野口先生。
黒縁の眼鏡をかけて、顔は日焼けで真っ黒で、
いつもニコニコとされていました。
クラスのみんなは、野口先生が大好きでした。
なぜなら、先生は子どもが良いことをすると、
おもいっきり褒めてくれたからです。
そして、「あくしゅ」と言って、
こちらの手を両手で握ってくれるのです。
もっと良いことをしたときは、みんなの前で
「たかい、たか~い」と抱き上げてくれました。
どちらも、うれしくて、楽しいご褒美でした。
その野口先生が、
運動会の前日の準備の際にケガをしました。
入場門の柱が足の上に倒れてきて、骨折したとか。
私たちがそれを聞いたのは運動会当日の朝でした。
その日から野口先生はお休みをされ、
代わりの先生が来られました。
しばらく、野口先生は不在でしたが、
何日か経ったある日、
松葉杖をついた野口先生が学校にいらっしゃいました。
「あ〜! 野口先生やぁ!」
と驚く私たちに、廊下から
「みんな、しっかり勉強してますか?」
と、声をかけてくださいました。
いつもの笑顔に会えたことが、
とてもうれしかったことを覚えています。
私が教師の道を選んだのは
野口先生のようになりたいと思ったから…、
というのも一つの理由です。
新任のころはクラスの子どもに
「たかい、たか~い」をしたこともあります。
野口先生に担任をしていただいたのはたった1年間、
そして、もうお会いすることはありませんが、
すごく大きな影響をいただきました。
それは、今でも感謝しています。