心まにまに

お~い、右に寄って!

何年か前の、夏休み中のことです。

 

出勤のため最寄り駅に向かう途中の道で、

前方から制服を着た男子高校生の集団が

こちらに向かって歩いてきました。

狭い歩道に広がっています。

 

(避けないといけないかな…)

と思っていると、先頭を歩く男子が

「お~い、右に寄って!」

と、後ろを歩く仲間に声をかけたのです。

すると、広がっていた彼らはサッと右に寄り、

私のために通路をあけてくれました。

通り過ぎるときに目に入ったエナメルバッグから、

大阪府内の某私立高校の野球部だと分かりました。

 

彼らの振る舞いが自然で

たいへん気持ちの良いものだったので、

学校に着くと、その高校に電話をかけて、

対応された教頭先生に今朝の出来事を伝えました。

 

「ぜひ、褒めてあげてください。」

と言うと、

「お叱りの電話を受けることはあるのですが、

 こういうお話で、とても嬉しいです。」

と笑ってらっしゃぃました。

 

それ以来、夏の高校野球の大阪大会では

自分の母校と同じくらいに、

その高校の結果が気になるのです。