心まにまに
2022/11/18
ちょーだい、ちょーだい!
運動場の上のオリーブの木は、
その昔、井口校長が
小豆島での研修に参加した際に
購入した苗木が育ったものです。
今の季節、この木には
たくさんの実がなります。
1年生がやってきて、
高いところの実を指して言いました。
「実ぃ、とって~!」
「いいよ、
…はい、とったよ。」
「ちょーだい!」
「うーん、どうしようかなぁ…。」
「え~、ケチ~!」
いや、あげてもいいのですが、
中から汁(油)が出てくると
服を汚しちゃうのですよね。
それを説明すると、
「だいじょうぶ!
つぶさないから!」
…その自信はどこからくる!?
「ちょーだい!」
「わかった、あげるけど、
ポケットの中に入れっぱなしは
ズボンが汚れるからダメだよ。
お母さんにしかられるよ~。」
「だいじょうぶ、
僕のお母さん、やさしいもん。」
子どもは自分の都合にあわせて
お母さんのことを怖くしたり、
やさしくしたりします。
「これ、食べられるの?」
「食べられるけど、
このままだとマズいよ。
すぐに、はき出しちゃう。」
「じゃあ、先生、食べてみて。」
いや、なんで?
今、食べられないって言ったのに。
「だから、美味しくないって。」
「ちょっとでいいから、食べて。」
「イヤでぇす、じゃあね~。」
離れたところで見ていると、
その子は、しばらくオリーブの実の
手触りを楽しんでいましたが、
やがて、チャイムが鳴ると、
オリーブの実を木の根元に置いて
教室に戻っていきました。
飽きっぽいのも子どもの特徴。
まぁ、そんなものですね。
ちなみに、落ちたオリーブの実には、
アリがいっぱいたかります。
それも教えてあげればよかったかな。