心まにまに

なんのために…

卒業生が学校に顔を見せました。

卒業式以来ですから、

20数年振りの再開です。

年齢は30代後半となったものの、

大きな声で話す姿は

小学生の頃のままでした。

 

彼は外部の高校に進学しましたが、

高校入学直後に

不登校になったようです。

 

彼はよく、お母さんに尋ねたそうです。

「なんのために勉強をするの!?」と。

その答えが分からず、

家で悶々とした日々を過ごしたとか。

 

そんなときに、彼のお父さんが

自分の仕事場に彼の居場所を作り、

そこで過ごすよう提案されました。

 

日中は、そこで過ごした彼は

仕事に励むお父さんの姿を見て、

その仕事に関心を持ちはじめました。

ただ、その仕事に就くためには、

大学で資格を取らなければならない。

そこで、ご両親にお願いをして

家庭教師をつけてもらい、

高校卒業認定を得て、

みごと、大学にも合格しました。

 

なんのために勉強をするのか。

 

「点数を取ること」を目標にすれば、

望んだ点数が取れなければ

簡単に自信を失くしてしまいます。

望んだ学校が不合格であった場合は、

今までの努力が無意味に感じます。

いえ、合格したとしても、

点数を取るための勉強では、

モチベーションは続きません。

きっと、彼もそうだったのでしょう。

 

でも、

久しぶりに会った卒業生の彼には

今、たくさんの目標があるようで、

それを笑顔で話して帰りました。

 

たのもしい姿でしたよ。