私の父は公立の図書館に
勤務していました。
父は家で本を話題にすることは
ほとんどありませんでしたが、
めずらしく、小学生だった私と兄に
「これ、おもしろいよ。」
と借りてきてくれた本があります。

安野光雅(あんのみつまさ)さんの
『旅の絵本』です。
文字はありません。
旅人が外国の街、田舎の村を
歩いているだけの絵ですが、
「隠し絵」の楽しみがあるのです。
「有名な絵画の一部が挿絵に…」
「こんなところに3匹の子ブタが!」
と、ページの隅々まで眺めて
楽しむ絵本でした。
細い線で描かれた細かな描写に
落ち着きと、静けさを感じ、
それまでに読んだものとは
異なる魅力がある絵本でした。
3年月組の学級通信に、
安野光雅さんの展覧会が
あべのハルカス美術館で開催中、
と紹介されていました。
それを読んで、
昔のことを思いだしました。
行ってみようかな…。
担任の岸本先生も、
安野さんの絵のファンだそうです。
