ひばりっこブログ

総合発表会 あれこれ

 私が小学生だった頃(昭和40年代)は,11月3日文化の日に総合発表会は行われていました。当時は月

・星の2クラスだったので,午前中ですべてのクラスの舞台発表が行われていました。先生の人数も少なく,舞台係・照明係・放送係などすべての係を6年生が担当していました。みんな軍手をはめて一生懸命担当の仕事に取り組んでいました。舞台発表の大道具や吊り物,小道具や衣装などすべての物がひとつひとつ手作りで,とても凝った物が舞台にあふれていた思い出があります。講堂の天井には本格的なミラーボールがあり,様々な場面で活躍していました。たとえば星空の場面や夢の中の場面など,とても効果的だったのを覚えています。音楽の合奏もありましたが,まだシンセサイザーなどが普及していなかったので,基本的な楽器だけを使った合奏でした。思い返してみると,みんながゆったりとした時間の中で,総合発表会を楽しんでいたように思います。
 時代は移り,月・星・雪・虹の4クラスになり,体育館や立派な学園講堂ができたので総合発表会の様子はがらっと変わりました。 全クラスが舞台発表をするので,各クラスのプログラムの時間をある程度制限しても,午前午後続けて7時間近くの発表になりました。パソコンやプロジェクター,音源も豊富になり,舞台の内容も大きく変わってきました。各係の仕事も教員が担当するので,より難しい演出にも対応できるようになり舞台転換もよりスピーディーになりました。
 舞台発表には,劇・学習発表・音楽がありますが,6年ほど前から子どもたちにいろいろな舞台発表を経験させるという観点から,2年生と5年生が音楽の発表をすることになりました。少しでも大きな作品に取り組めるように,2年生は2組合同で合奏と音楽劇(歌)の2つのプログラムにしています。合奏に取り組む子どもたちには,1人1人に楽譜を配りますが,2年生の子どもたちにとっては,音符だけの読譜はなかなかの難関です。そこで,子どもたちにはドレミを字で書き込んだ楽譜を配ります。せっかくの発表会ですので,2年生の授業で扱う曲よりかなりレベルの高い曲にチャレンジしています。最初はなかなか練習が進みませんが,1人2人とできるようになると,不思議にその音がきっかけになって演奏の輪が広がり,曲があっという間に仕上がってきます。少しでも上達すると,子どもたちに次のステップに向かう「やる気」があふれてきます。音楽劇に取り組む子どもたちも,長い曲を何曲も歌います。最初は歌詞を見ながら音を覚え,段々進んでくると曲ごとに歌い方に工夫をし,さらにセリフも加えながら 物語に仕上げていきます。

 歌は「みんなの声が大きなふんわりとしたかたまりになるように」ということに気をつけながら仕上げていきます。 
 本番当日の出番前の子どもたちは,緊張しているけれどワクワクしている素敵な顔になっています。そして出番が終わった後は,みんなが達成感に満ちた晴れやかな笑顔になります。この子どもたちの笑顔を見ると毎年とても幸せな気持ちになります。今年も子どもたちといい時間が過ごせて良かったと温かい気持ちになります。総合発表会は,子どもたちにとって「1つの目標を持って集中して取り組む」「クラスのみんなで1つの課題を作り上げる」ことで,大きく成長する大切な行事です。発表会後の音楽の授業での2年生の音楽の技能がめざましく上達するのも毎年驚かされる事実です。来年に向けて,子どもたちが楽しく取り組めるプログラムをすでに検討中です。