ひばりっこブログ

「褒める」ではなく「認める」

   毎日,子どもたちと生活していく中で褒めたり叱ったりすることが多くあります。私は褒めることが苦手です。どうしても褒める割合より叱る割合の方が多いと感じています。このように悩んでいた時,恩師からお教えいただいた事があります。それは褒めることよりも大切なことは認めることだそうです。「よくできたね。」「上手になったね。」「偉いね。」と褒めた場合と「書き順も正しく書けるようになった。ね」「雑巾がこんなに強く絞れるようになってすごいね。」「最後まで一生懸命走れて偉かったね。」と言われた場合,どちらが子どもに伝わっていると思いますか。答えはもちろん後者です。前者はいわゆる「褒め」になるのですが,少し上から目線な感じがします。一方,後者は具体的な言い方で子どもを「認める」というものです。こう言われてはじめて,子どもも「そうか,これがよかったんだ。」と褒められたポイントを理解します。抽象的に褒められても,子どもは何が良かったのか,伝わっていない場合が多いです。このように,具体的に褒めることで子どもは大人に「認められた!」という気持ちが芽生え,自信をつけていきます。これが自己肯定感につながると思います。
 学校でもそうですが,ご家庭ではいかがでしょうか。「お箸をきちんと正しい向きで並べられるようになったね。」「みんなの分の靴を揃えてくれて助かったよ,ありがとう。」など,子どもも家族という社会で生きているので,何か役割を与えられて「自分も家族の役にたっている」と感じることはとても大事なことです。親切心からなんでも親や教師が手出し口出ししていると,気づかないうちに子どもの自主性を奪っていることもあります。忙しい時は,お手伝いしてくれてもはじめは二度手間になったり時間がかかったりするかもしれません。しかし,子どもをできると信じてお願いし,できたらきちんと認めてあげることを徹底すると,子どもはやる気に満ち溢れてきます。
 そうはいっても,子どもだって人間ですから,その日疲れていたり気分がのらない時は,お手伝いや約束を守りたくない日もあります。その時に「約束でしょ。やりなさい。」と強制するのではなく,「今日は疲れて眠くなっちゃったんだね。じゃあ,明日少し早く起きて頑張ろうか。」と親子で交渉するようにするといいと思います。そうすることで,子どもも親にやらされているという意識ではなく,自発的にやる意識が芽生え,「お母さんは私のことを分かってくれていて,言うことを聞いてくれるんだ。」という自己肯定感にもつながります。しかし,毎日決めたワークや習い事の練習などはきちんと守らせたいのが親心教師心です。「なんでやらないの。」「やるって約束したでしょ。」と感情的に叱ってしまうこともあると思います。そんな時は「ごめんね,言い過ぎたよ。」と後できちんと謝ることも忘れずにすることが大切です。この魔法の言葉で「いいよ。」とすぐに関係を修復できるのは親子であるからこそです。怒りは
30秒たつと薄れると言われています。一呼吸おいて,「あなたはどうしたらいいと思う。」と一方通行にならないよう冷静に話を聞いてあげることが大切です。「お父さんに叱られないように頑張る」「お母さんに褒められたいからやる」というのは何かをはじめるきっかけにはなりますが,長い目でみると持続しません。子どもはあるとき,褒められること(叱られることにも)に慣れてしまい,それだけではやる気が出なくなってしまいます。日々の生活の中で子どもを認め,肯定してあげながら,考える力を養ってあげれるように努めようと思います。