校長室の窓から

読書週間(10/27~11/9)に思う

 先日,新聞で山脇百合子さんの訃報にであいました。9月29日,享年80歳だったようです。山脇百合子さんは,実姉の中川李枝子さんと『ぐりとぐら』の絵本を書いておられました。中川さんが文を書き,山脇さんは,絵を担当されて長く製作に携われました。山脇さんは,もともと,フランス文学を大学で学ばれて,絵を描くのは全くの素人だったようですが,ぐりとぐらをはじめ,シリーズに出てくる動物がほのぼのとかわいらしく描かれています。1963年が初版ですから,約60年がたちます。シリーズ6冊は,10カ国の言葉に訳されて世界中の子ども達に読まれています。お父さんやお母さん世代はもちろん,おじいさんやおばさん世代にもおなじみの絵本ではないでしょうか。
 私も娘が幼い頃,カルタ遊びをしました。読み札を私が読み,絵札を子ども達がとります。不思議なことに,何度も何度も声に出して読んでいると,リズミカルな読み札をいつの間にか覚えてしまっていました。読み札の言葉の最初の音も韻をふんでいるので覚えやすいのでしょう。子ども達も自然に覚えていました。慣れてくると,子どもが読み札を読むようになりカルタがなくても読み札の文を暗唱するまでになりました。音読の効果が大きいことも感じました。
 本の読み聞かせとは,少し趣は違いますが,子ども達と本の良い出会いの思い出です。山脇百合子さんのご冥福をお祈りいたします。