心まにまに
2021/07/13
赤いほっぺた
およそ20年前のこと、
学校のベル広場に『鳥小屋』がありました。
幅3m、奥行き1.5m、高さ2mほどの立派な鳥小屋で、
そこでは数羽のセキセイインコと
2羽のオカメインコを飼っていました。
オカメインコは、2羽ともグレーの羽色。
1羽は近寄ると逃げるのですが、
もう1羽は人にとても慣れていて
小屋に入ると嬉しそうに肩や頭の上にのってきました。
飼育部の高学年が掃除のために鳥小屋に入ると、
やはり肩にとまったり、髪の毛をついばんだりします。
飼育部の子たちは、それがくすぐったくて、
ウヒャウヒャと言いながら掃除をしていましたね。
「いいなぁ~」「ぼくらも鳥小屋に入りたいなぁ」
と、低学年がうらやましがっていました。
今年の春先のこと、
近所のペットショップの店頭に
オカメインコの写真が貼ってあることに気づきました。
その写真を見て、学校の鳥小屋を思い出したのです。
冷やかし気分でお店に入ると、
飼育ケースの中の、白いオカメインコを見つけました。
眺めていると、お店のおじさんが話しかけてこられました。
「この子はね、まだ幼くて自分でエサが食べられないんよ。」
「こんなに大きいのに?」
「体は大きいけど、まだ数週間は給餌しないとね。こうやってね…」
と言って、鍋に粒エサと水を入れてコンロで軽く炊き、
粗熱をとったあと、スプーンで鳥の口に持っていきます。
オカメインコは何度もついばんでいました。
「喉がふくれてきたでしょ?ここに餌を溜めてるの。こうなったら、もう食べない。」
たしかに、おじさんの餌に見向きをしなくなりました。
そのあとも、オカメインコのことを、
詳しく、楽しく聞かせていただきました。
鳥小屋を思い出したことをきっかけに
「オカメインコを飼うのもいいな…」
と思いましたが…、
安易な気持ちで生き物は飼えませんね。
これからも、度々お店を覗いて、
おじさんの『鳥講座』を楽しませてもらって、
飼ってる気分を味わいたいと思います。