心まにまに

冬瓜(とうがん)

私には、

食べものの好き嫌いがありません。

それは、幼少期の家族構成に

理由があると思います。

 

生まれてから小学校低学年まで、

両親、兄、祖父母、二人の叔母…と、

サザエさん一家よりも

まだ一人多い家庭で育ちました。

 

夕食の食卓には、

祖父の好みの食事が並んだので、

どんなに苦味のあるものも、

どんなにクセの強いものも、

食べざるをえなかったのです。

「食べへん。」

などと言ったものなら、誰かが

「ほな、もらお…。」

と持っていってしまいますから。

 

 

毎年、この季節になると、

とろみのついたお吸いものの具として

冬瓜」が登場しました。

もちろん、食べるのですが…、

美味しいと思ったことはありません。

ほのかな苦み?青味?を感じるだけで、

「大人は、なぜトウガンをたべるの?」

と、不思議に思いながら

食べていたことを覚えています。

一度、母に尋ねたことがあるのですが、

「美味しいやん。」

のヒトコトで片づけられてしまい、

さらに、モヤモヤが増しました。

 

大人になり、

子どもの頃には感じなかった

食べもの、料理の美味しさに

気づくようになりましたが、

じつは…

冬瓜だけは未だに

その美味しさに気づけない。

まだまだ、子どもです。

 

今日は夏至、

大阪では夏至に「冬瓜」を食べます。

冬瓜は水分を多く含んでいるので、

暑い時期の暑気払いに良いのです。

…はい、ありがたく、いただきます。