心まにまに

方言のはなし

ケガをしたときに、

傷口に貼るテープのことを

何と言いますか?


一般名称しては「絆創膏」ですが、

「バンドエイド」「カットバン」

「サビオ」「リバテープ」…と、

商標名で呼ぶこともありますね。

 

「リバテープ」、聞き慣れませんが

熊本、大分、宮崎などの

九州の一部でつかう言葉だそうです。

 

「日本語学・方言学」を研究をする、

和歌山大学の澤村美幸先生によれば、

このような地域毎の呼び名を

「気づかない方言」というそうです。

地域限定の方言であるのに、

話す人がそれに気づかずにつかう言葉。

たしかに、

「リバテープ、取ってくれない?」

と言われても、ん?となりますね。

 

「学校方言」というのもあります。

例として、「通学区域」のことは

東日本…「学区」 

西日本…「校区」

北陸…「校下(こうげ)」

 

「教室ではく靴」のことは

関東…「上履き」

西日本…「上靴(うわぐつ)」

東北…「内ズック」

なんと、和歌山では

「バレーシューズ」と呼ぶそうな。

 

「体育すわり」のことを

「三角すわり」と言うのは大阪、

「黒板消し」のことを

「ラーフル」と言うのは鹿児島。

その地域の学校で

当たり前としてつかわれる言葉は

地域の中でも方言として

認識されにくいのです。

 

そういえば、新任の先生から

「雲雀丘では『職員室』のことを

 『教員室』って言うんですね。

 なぜですか?」

と尋ねられて、返事に困りました。

たしかに、職員室でも教員室でも

どちらでもいいのですが…、

これも学校方言の一つでしょうか。

 

ちなみに、

鹿児島では「黒板消し」のことを

「ラーフル」と呼ぶ言いましたが、

これは本校の黒板消し。

裏を見ると…

ダストレス・ラーフル。

そう、黒板消しの正式名称が

「ラーフル」なのです。

それが鹿児島では、

学校方言として残っているのですね。

 

ん? ということは、

「黒板消し」と呼んでいる私たちが

学校方言を使っているということ?

…ややこしい。