ひばりっこブログ

クリスマスの思い出

 いよいよ12月。今年もあと1か月で終わりです。クリスマスソングが町に流れるこの時期になると,私はいつも母のことを思い出します。
 2年前のクリスマスイブに,母が他界しました。お医者様から病状の説明があった時の衝撃は,今でもはっきりと覚えています。残り少ない母の人生に,いったい私が何をしてあげられるのか。悩みながら私が出した答えは,「できるだけ多くの時間を笑顔で母と過ごそう。」というものでした。母は,本来なら痛みで話もできないほどなのに,お医者様がびっくりするほどいつも穏やかで,最後まで私を気遣ってくれていました。病院で母と過ごす時間は,逆に私が元気をもらう日々でした。 
 母が最後に意識を失う時,私の名前を呼んで「ありがとう。」と言いました。感謝の気持ちを伝えないといけないのは,私のほうなのに。
 思えば母は自分の事よりも,家族の事を一番に思い,家族を大切にする人でした。母から教えてもらったことは数えきれないですが,絶対的な大きな愛で,私たちを包んでくれていました。人への優しさ,思いやり,人間として一番大切なことは,全て母から教わりました。いつも私の味方でいてくれるとても大きな存在だったと,失った今になり強く感じます。母は,私の尊敬する人です。
 私には,クリスマスの思い出がたくさんあります。クリスマスの夜,サンタさんに会いたいと,なかなか寝ずに夜空を探していたこと,ずっと欲しがっていたエレクトーンがサンタさんから届いて,姉と二人で大喜びしたこと。どのクリスマスの思い出も温かく,愛情溢れるものです。それは,両親が私を大切に育ててくれた証でもあるんだと,今ならはっきりとわかります。
 これからのクリスマスは,私は必ず母の事を思い出すでしょう。今年もこうして,家族でケーキを食べられることに感謝しながら,今度は私がしっかりと,子どもたちに楽しいクリスマスの思い出を作っていってあげようと強く思います。母から教えてもらった大きな愛を,今度はきちんと子どもたちに伝えていくことが,一番の親孝行だと信じています。
 「親孝行な人は,どんなことでも立派にできます。」初代理事長,鳥井信治郎先生の言葉です。雲雀丘学園小学校の創立の精神です。2年生の学習では,親孝行の日にむけて,雲雀丘学園小学校の創立の精神を学び,「親孝行」について考えました。
 「親孝行したいときに親はいない。」私が今感じているこの気持ちを子どもたちが理解するのは難しいでしょう。ただ,毎日を楽しく過ごしていけるのは,多くの人の愛情に支えられているからだということ,親が自分をどれだけ大切に思い育てているかということを,子どもたちにはしっかりと感じて欲しいと思っています。そして,思ってはいてもあまり口に出すことがない「ありがとう。」の気持ちを,時にはしっかり伝える機会を持たせたいと思います。「親孝行」ができる今に,感謝をして欲しいです。
 今年のクリスマス,皆様が大切な人と,素敵な時間を過ごせますように。子どもたちにとって愛情溢れるクリスマスの思い出が,たくさんできることを祈っています。