ひばりっこブログ

コミュニケーション・ツール

 今年度から英会話の時間を,ティームティーチング(ネイティブの先生と2人体制)で持つことになりました。私が教師になってからは初めての経験なので,とまどいやら楽しみやらを抱えながら,他の先生方の協力のもと,勉強しながら指導しています。
 かつて私は,英語が操られたら万能な道具を手に入れたと思っていました。仕事が出来そうだからです。ただ,伝え合う方法は他にもたくさんあります。英語を学ばなければ時代に乗り遅れるのではなく,コミュニケーション・ツールの活用で,楽しく通じ合うきっかけを作ることができます。
 中国語・・私は,中国料理のお店で働いたことがありました。料理名を中国語で読めて,料理が分かりました。(材料,切り方,味が文字で分かるものが多いのです。)中国語は世界で考えれば,一番通じる可能性がある言葉だと思います。漢字文化は,今や世界中に広まりつつあること,中国語を話す人は,主な世界の都市部に住んでいるからです。少ない海外旅行の経験で,フランスやドイツ,スペインに行くと,大きな街には中国料理の店が見つけやすく,旅の途中口に合うものをと感じることがあります。ドイツ語が分からなくても,好きな中国料理を注文できる安心感を覚えたことがあります。
 スペイン語・・ある時,職場でポルトガル人とフランス人が話をしていました。英語ではないので,『今のは何語でしゃべっていたのか。』と尋ねると,フランス語でもあるし,ポルトガル語でもあるという事でした。単純に『なぜ?』と尋ねると,『シィミラーだ【似ている】からだ。』と説明してくれました。スペイン語もイタリア語も似たところがあるよ,という話です。それまで,それぞれの国独特の言葉で,他では通じないと勝手に考えていた私の目からうろこが落ちた時でした。スペイン語はメキシコや南米でも通じます。似た言葉を駆使すれば,何かが開けそうな気がしませんか。
  英語・・ベトナム,マレーシア,トルコ,英語圏以外の人たちとは英語でした。でも,お互い母国語でないので,少々の間違いやアクセントやらは問題ありません。特別でない限り書くこともありません。だから,仕事以外では,片言でも日本語交じりでも通じ合ってきている気さえしました。親しくなってくると,ひょっとしたら自分は日本語の時より正直な気持ちを伝えているかもしれない,と感じていたのです。かつての上司の電話での英会話は,途中でよく日本語の『アホな!』 が入っていましたが,会話は続いていました。

 少々単語に日本語や他の言語が入ろうが,伝えたい・受け止めたいという意識や勇気があれば伝わりますよ,と聞かれたことはあると思います。
 私の考えがもう一つ。言葉の特長や使い方を工夫して体感すると通じることも多いということです。英語はコミュニケーション・ツールの一つですが,他にもまだまだあるという事です。
 子ども達が大人になった時には,英語がもっと浸透しているとは限らないと思います。道具の一つです。他にも道具はたくさんあります。日本の漫画やアニメ,和食なども然りです。いろんなツールをきっかけに,隣同士が仲良く,そして,国を越えて仲良くコミュニケーションをとることができれば,人間としての幅が広がっていくと思うのです。