ひばりっこブログ

ひばりっ子と共に育つ図書館ありがとう

私は,昨年度から図書館担当として授業時間以外は,ずっと図書館で過ごしています。試行錯誤の日々ですが,学校図書館利用者の増加のために,居心地の良い空間づくりに努めています。図書部は貸し出し作業や本棚の整理整頓,お楽しみ会などの企画も開催します。大変なお仕事ですが,責任感を持って一生懸命に頑張ってくれます。図書部以外にも,「先生,何か手伝うことはありますか?」と来てくれる子も多いです。そして,いつも驚かされるのは,必ず仕事が終わるとどの子も「ありがとうございました」と私に挨拶をして帰ることです。どれだけの大人が,日々仕事をさせていただけて有り難いと感謝の言葉を口に出来るでしょうか。私はそんなひばりっ子たちを尊敬しています。「一隅を照らす,これ則ち国宝なり」という天台宗の開祖である最澄の言葉があります。「それぞれの立場で精一杯努力する人はみんな,何者にも代えがたい大事な国の宝だ」という意味です。ひばりっ子は,まさに雲雀丘学園小学校の宝です。
 図書館の中のホワイトボードは,本や季節に応じた双方向の参加型にしています。図書館は本を一人で読むだけではありません。みんなの個性が集う文化的な場でもあります。他者の思いを感じながら,自然と自分を見つめる場所でもあります。ひばりっ子は何事も自主的に参加します。季節に合わせた絵を描いたり,卒業式前には六年生にメッセージを書いて桜の木を満開にしたりしました。
 6月には,私が6年虹組の社会科を担当しているので,沖縄慰霊の日に合わせて,白旗の少女の話と絵本『へいわってすてきだね』を紹介しました。その後,「平和って何かな?」と,考えて付箋を貼ったものを,そのまま図書館に掲示したところ,続々と低中学年の子も,進んで書いていました。先輩や仲間の考えをよい刺激にして互いに考えようとする姿は,頼もしく感じました。6虹の「戦争があった時のことをふりかえり,戦争を学んでいる時」「命がある。家族や友達がいる。家がある。食べ物やきれいな水がある。学校に行ける。やりたい事ができる。」「自然にいつも笑えること。」「家族が笑っていて友達がいて,世界中の人々が笑っている時。」から始まって,他クラス6年生の「楽しいコトを一人ひとりが満喫している時。」「旅行に行っている時や図書館に行く時。けんかが起こっていない時。」2年生の「かぞくがしあわせにくらせること」「へいわは未来へつながる」「ともだちとあそんでいる時」1年生の「おたんじょうびのとき」「たべものをたべたら大きくなること」と,壁一面に広がっていきました。これからも,新しい発想力を湧かせて掲示をしていきます。そのためには,子どもの読書意欲を喚起するような創意工夫を私自身が楽しむことが大切だと思っています。
 インドのランガナタンが提唱した「図書館学の五原則」というも
のがあります。その一つ,「図書館は成長する有機的組織である」
とは,図書館は生き物だよとも受け止められます。まさに雲雀丘の図書館は子どもたちが創り上げてきました。図書館は単なる本の置
き場ではありません。情報を利用してこそ生きた図書館なのです。さらに,利用者であるすべての子どもたちが主人公になり,ダイナ
ミックに躍動する有機体,それが雲雀丘の図書館なのです。
 雲雀丘の図書館はこれからも,単なる読書センターだけではなく,学習,情報センターとして発展していかなければなりません。ひばりっ子たちのために!!ひばりっ子と共に!!と,私はいつも願っています。