ひばりっこブログ

「1年生と6年生」

    今年も可愛らしい1年生が入学してきました。新しい制服を着て,登校してくる1年生を見て微笑ましく思います。入学して3ヶ月経ったのでもう学校には慣れてきたのか,友だちと話をしながら笑いながら門をくぐっています。その1年生たちが入学してくるのを心待ちにしていたのは,私ら教員だけでなく,在校生たちも同じです。その中でも6年生である69回生は,その思いが特に強いようです。
 本校には「きょうだい学級」という活動があります。1年生と6年生,2年生と4年生,3年生と5年生とがペア学年になり,遠足や集会の活動など1年間を通して活動をします。その中で下級生と上級生の1対1のペアを決め,特に親しく関わっていきます。1年生と6年生のペアは学年の差が大きいので,特に上級生の6年生がお世話をするという要素が強いように感じられます。
 69回生が5年の時。「折り紙を貼って飾ろう。」「ひらがなしか読めないよな。」そんな会話をしながらまだ見ぬ新1年生を想像しながら,メダルづくりをしました。対面式で1年間お世話をするペアが決まり,メダルをプレゼントしました。2~5年生が花道をつくってくれました。その花道を一緒に手をつないで通るのですが「1年生の手がちっちゃかった」「小さくてかわいい」と言いながら教室に戻ってきました。6年生が笑顔で照れくさそうに1年生と接する様子を見てうれしくなりました。
 その後,たくさんふれあえる場面がありました。一緒にお弁当を食べたり,教室にシートを敷いておやつをたべたり,休み時間に鬼ごっこをしたり,ペアの似顔絵を描いたりと・・・。関わる機会が増えると次第に下の名前で呼ぶ子も増え,親しく関わっているようです。1年生の方も6年生を慕って,おんぶをせがんだり,6年生の教室に遊びに来たりと心を開いています。最近では6年生の呼びかけで,朝のあいさつ運動に一緒にあいさつをしてくれる1年生が増えました。小さな1年生と大きな6年生が大きな声であいさつを呼びかけています。その姿にいつもは会釈程度であいさつを返してくれる中高生の顔も照れくさそうな笑顔になり,学園全体をよい雰囲気にしてくれています。1年生のパワーも6年生のやさしさもすばらしいと思います。
 ちょうど5年前,69回生が1年生だったとき。私は当時6年生の担任をしていました。当時の6年生が熱心に1年生の教室に遊びに行き,一緒に遊んであげている姿を思い出します。遊んでもらっていたのが,今の6年生である69回生です。6年生に抱きついて,わがままを押しつける子も中にはいました。そんな彼らが今は「お世話をする立場」。1年生とかがんで話さないといけないぐらい背も伸びました。わがままを言っていた彼らがわがままを聞いてあげている姿をみて,5年間の心の成長を感じることができます。
 6年生が1年生に「してあげていること」。それが1年生に伝わり,その1年生が6年生になったとき,新しく入ってくる1年生に対して「してあげること」になります。「よくしてもらった」思い出を1年生が残せるようにこれからの関わり方を見守っていきたいと思います。そして,5年後6年生になった74回生の姿が今から楽しみです。