ひばりっこブログ

言葉の力

 子どもたちが知らず知らずのうちに身につけ,口にする言葉にはっとすることはないでしょうか。「こんな言葉を知っているんだ!」と成長を感じたり,「使う言葉が(家族やきょうだいに)似てきた!」と喜んだり,逆に気を付けようと身を引き締めたり。ときには,「どこで覚えたの…」なんて思ってしまう言葉を,子どもたちが成長過程において使うこともあるかもしれません。

 365日,私たちは言葉を使って生活をしています。生涯を通して,言葉によって様々な情報をインプット・アウトプットしています。言葉によって,天にも昇る気持ちになることもあれば,とても深く傷つくこともあります。その深みから抜け出す力を与えてくれるのも誰かの言葉であったりします。
それほどの力を持つ言葉を大切にしたいと,コロナ禍の今年度,特に感じています。

 私は,今年度4月に育児休業から復帰し,今は3年生の子どもたちと毎日元気に過ごしています。
復帰した当初は,コロナの影響で休校からのスタート。クラスの子どもたちと会えずに電話を通しての会話であったり,動画を撮影しての授業であったりと,これまでとの違いにやはり戸惑いました。

 やがて,分散登校を経て一斉登校になり,子どもたちと顔を合わせてできる授業,言葉を交えてみんなが学級の雰囲気を感じられる授業の楽しさや嬉しさを改めて実感しました。

 コロナの影響が出てから,もうすぐ1年が経とうとしています。学校では,マスクの着用や手洗い,食事中の会話をしない等の様々な新しい習慣が根付いてきました。マスクの着用で,
児童・教師とも食事時や体育でマスクを外す時以外は顔半分が隠れています。それにより,時には表情や雰囲気の伝わりにくさ,伝えにくさを感じることもあります。そんな今だからこそ,言葉で伝えることの重要さが増すのではないかと思うのです。

 学校では,子どもたちが言葉について考えたり話し合うことが日々あります。一番わかり易いのは,国語の学習においてです。気持ちや様子を表す言葉に着目して様子を捉えたり,表現
の違いを考えたりすることがよくあります。日常生活では,友だちや教師との関わりにおいて,どのように自分の思いを伝えようか,どう言えば思いが正しく伝わるだろうかと無意識に考えています。時には,友だちにうまく伝わらず話し合うこともあります。様々な言葉がある中で,私たちはそれを選び取って使います。お家では,言葉について話し合う機会はありますか。

 お子さまからはどんな言葉が聞こえてきますか。それぞれのお家で大切にしている言葉,そしてお家の方の言葉への思いをお子さまに伝えてみてください。夕食の話題でも,他愛のない会話の中ででも,お風呂の中ででも。できれば温かな雰囲気で。

 子どもの成長はいつもすぐに芽が出るわけではありません。時には,辛抱強く待つこともあります。しかし,子どもの頑張りや成長を認め,大切に伝え続けたことは,必ず子どもたちの成長の一部となります。
 一人の教師として,一人の母親として,子どもたちに「言葉の力」を伝えていきたいと思う新年です。