校長室の窓から

日本語を身体に刻み込む

                   

 

    6年生は,今年も「暗唱詩文集」に取り組んでいます。一番の目的は,みんなで声に出して読むということで,最終的に暗唱までできたら良いという担任の願いがあるようです。
    6年生に見せてもらいました。菅原道真の「東風吹かば…」の短歌,式亭三馬の「浮世風呂」,千利休の「利休百首」,谷川俊太郎や正岡子規,山上憶良の作品など時代も内容もバラエティに富んでいます。
    江戸時代の昔から寺子屋や藩校で,「読み書きそろばん」を学んできた私達の祖先は,同時代の欧米諸国と比べても高い識字率を誇っていました。それは,文字を目で追い,声に出し,みんなの声を耳で聞く音読の継続が効果的に機能したからだといわれています。ICTの機器は便利なものですが,紙に印刷されたアナログな詩文集の音読にも昔から受け継がれている大切な教育の良さが生きていると言えます。

    今は,マスクをして大きな声は出せませんが,子ども達の大きな声の音読が,教室から聞こえてくる日が待ち遠しいです。