校長室の窓から

泥棒に付く?

 秋になると,空き地や郊外に出かけると,ズボンやセーターにひっつき虫が付いたという経験がある方も老若男女問わずあると思います。先日の観察会で子ども達の体操ズボンにたくさん付いていたのは,『ヌスビトハギ』という植物の種です。
 植物は動いて種子を広い範囲に行き渡らせることが難しいので,このように人間や動物の衣服や毛について子孫を残す工夫があります。
 ヌスビトハギは,薄いピンクのかわいい花が咲くのですが,その名前は,種が泥棒の足跡に似ているという説と『ヌスビト』が気づかないうちにその種子が衣服に取り付く性質からという説もあります。植物学者の牧野富太郎先生によると,古来の泥棒は足音を立てないように,足裏の外側だけを地面に着けて歩いたとのことで,その時の足跡に似ているという説を書いておられます。一つ一つの形が菱形なのも特徴ですね。
 娘が幼い頃に,散歩で公園などに出かけると,知らず知らずのうちに衣服に付いていて,帰宅後,皆で賑やかに外し合ったり,また,いたずらで背中にそっと付けてみたりしたことを思い出しました。