校長室の窓から

本に親しむと‥

 私は,学校の図書館で,江戸川乱歩の『怪人二十面相』を借りて,不気味な挿絵を頼りに長編の物語を読む楽しさを覚えました。確か,2年生の頃,近所に住んでいたお友達のお兄さんが読んでいて,進められたのがきっかけと記憶しています。
 その後,アーサー・コナン・ドイルの『シャーロックホームズ』シリーズにのめり込みました。19世紀末から20世紀初頭のロンドンを舞台に繰り広げられる怪事件を次々と解決する物語をわくわくしながら読み進めました。
 言葉を覚えたり,歴史が分かったり,場面を想像したりと楽しみながら読書に対する抵抗がなくなったのではないかと思います。長い物語を読み進めるのには,根気強さも必要ですね。
 スマートフォンやタブレットで,便利な生活ができますが,ページをめくりながら本を読んでドキドキわくわくする経験を小学生時代に体験してほしいと思っています。朝の10分間,全校読書の時間を設定した狙いは,そんな願いからでもあります。本好きな子ども達が増えてくれることを願っています。