心まにまに

雑に扱えないもの

これは、なんでしょう?

ずいぶん前の6年生にもらったものです。

そのころの6年生は、

家庭科でフエルト作品に取り組んでいました。

この子は、余ったフエルトを

パッチワーク調に縫い合わせたようです。

 

「これは、どうやって使うの?」

と尋ねたら、

「先生の使いやすいように使ってくれればいいから。」

と、丸投げされました。

ほぼA4サイズなので、レターケースの中敷きに

使わせてもらっています。


このような、人の手が入った作品というのは、

雑には扱えない。

 

 

その2年後、

別の学年を担任しているときに、

何年も使ったペン入れが破れたので新調しました。

それまでのものより一回り大きくて、

たくさんのペンが入れられます。

ただ、デザインが殺風景でした。

 

すると、ある子が私と同じように思ったのか、

「先生、このペン入れに絵を描いてもいい?」

と言ってきました。

その子は絵がとても上手な子で、

どうぞ、どうぞ!とお願いをしました。

 

その日の休み時間には描ききれなかったようで、

結局、その子はペン入れを持ち帰り、

次の日に持ってきてくれました。

おぉ、すごい!

青い部分は海に見立てているのですね。

人気のキャラクターも描いています。

 

このペン入れは5年ほど使っているので

最近は、絵のインクがずいぶんと薄れてきましたが…、

これも雑に扱えない。

 

 

子どもからもらった手紙、これは棄てられない。

こういう束が、いっぱいあります。

企業のダイレクトメールなら、

なんのためらいも無く棄てられるのですが。

 

直接、人の手が入ったものには、

その人の魂がこもっていると言いますね。

私も、そう思います。

どんな気持で作ってくれたのかな、

どんな気持で書いてくれたのかなと考えると、

どれも、ぞんざいに扱うなんて出来ません。

ましてや、消しゴムで何度も消した跡や、

失敗した跡があったりすると、なおさらです。

これからも、きっと溜まる一方なのでしょう。

 

これらの手紙の束を引っ張り出していたら、

当時、私が描いた絵が、あいだから出てきました。

6年月組を担任していたときに、

クラスの子どもにコピーしてあげたもの、…なつかしい。

 

これも、子どもたちに喜んでもらおうと

魂をこめて描いたものです。