心まにまに

読みきることができない

学校のキンモクセイが咲いています。

 

マスク越しでもあまい香りを

感じることができますが、

キンモクセイの前を通るときだけは

マスクから鼻を出しています。

年に数日だけの楽しみですからね。

 

秋です。

 

読書の秋のこと。

 

ひばりっ子は読書が好きですが、

意外と大きな学年でも

『読み聞かせ』を好みます。

 

6年生を担任していたときは、

「この本を読んで感動したんだけど‥」

と,クラスで本の紹介をすると、

「読んでほしい」

と、すぐに返してくれました

(イヤな授業からの

 逃避が狙いかもしれませんが)。

 

ところが、子どもたちに本を紹介して

「読んで!」

とお願いされ、読み始めたものの、

最後まで読めなかったお話があるのです。

 

それが、


重松清さんの短編集『小学五年生』の中の

「おとうと」です。

たった12ページの、短いお話です。

 

これが、私の琴線に触れるのですよ。

朗読していると涙で読めなくなり、

「ごめん、続きは自分で読んで!」

と投げ出してしまいました。

 

6年生は何事かと驚いたり、

クスクス笑ったりしていましたが、

私が何に感動したのか気になるようで

その後、自分で読む子がいました。

 

「泣くまで感動するかなぁ?

 まぁ、いい話だけどさぁ‥。」

という子どもたちの評価でしたが、

今でも、このお話だけは、

子どもの前で読み終える自信がありません。