心まにまに

たいへん、たいへん!

放課後の運動場の隅っこで、

2年生の男子がこんな状態でいました。

 

「なにしてるの?」

と尋ねると、

「教頭先生、たいへん、たいへん!」

 

 

ちなみに、子どもの「たいへん!」は、

本当に大変なときと、

まったく大変じゃないときの

両極端に分かれることが大概です。

 


「たいへんって、なにが?」

「あのね、この中にカエルがいる!」

地面の排水の穴の底に、

カエルがいると言うのです。

金属の格子網のフタがしてあるし、

暗くてよくは見えないと思うのですが、

「ケロ…」と声が聞こえた気がする、と…。

 

これは、

大変じゃないほうの「たいへん!」ですね。

 

子どもたちは

「ちょっと、僕が見るわ。」

「僕も見たいから、どいてよ~。」

と、場所取りになりました。

こんな感じです。

 

 

さて、どうするのかなぁ?と眺めていると、

1人の男の子が

「じゃあさ、一列に並んで順番で見ようよ。」

と、ナイスな提案。

他の子たちも、

「そうしよ!じゃあ、僕が1番」

「僕、2番!」

と、整列しだしました。

それが、この図。

 

 

最初に覗いた子が

「うわ、ほんまや、いる!」、

次の子も

「カエルや!」、

さらに次の子も

「いる、いる!」。

 

でもね、

1人1人の子どもによって

説明するカエルの姿がまったく一致しなくて、

おかしくて笑いそうになりました。

 

そこで、

「それって、カエルなのかなぁ。

 本当はさ…、『ワニ』なんじゃない!?」

と言ってみると、覗いていた子が

「…ほんまや、ワニや!」

いやいや、それはないって!

 

子どもの大変じゃない「たいへん!」は、

ちょっとからかうと、たいへん面白いのです。