心まにまに
2022/09/07
割りきれない
4年生の国語の教材「ごんぎつね」は、
新美南吉の名作です。
物語の中で、きつねのごんは、
兵十という男にイタズラをした償いとして
毎日、栗や松茸をこっそりと届けます。
でも、それを「神様からのほどこし」と
片づけられてしまうことに、ごんは
「おれにはお礼は言わないで、
神様にお礼を言うんじゃあ、
おれは引き合わないなあ。」
と、割りきれない気持ちです。
物語は、哀しい結末を迎えます。
イタズラばかりしてきたごんを、
兵十は火縄銃で撃つのです。
そのときになって、
兵十は、自分にほどこしを与えていたのが
ごんだと気付きますが、もう、ごんは…。
「かなしい物語?」
「最後に兵十に理解してもらえて、ごんは幸せだった?」
「死んでしまって「幸せ」なんてことはあるの?」
「もし、ゴンが生きていて、兵十と分かりあえていたら、
もっと幸せだった?」
「それって、あり得るの?」
…
子どもなりに物語を解釈しようとしますが
「死」という現実があまりにも重いようで、
モヤモヤとした
割り切れない気持ちで授業が終わる…、
私が4年生を担任したときはそうでした。
学習に限らず、「割り切れない」ことが
どんどん多くなっていきます。
その時々で自分で考え、
自分なりに納得していくことが学習であり、
その子の成長なのでしょうね。
余談、
3年生は今、あまりのある
「割り切れない」わり算の学習に
取り組んでいます。