心まにまに
2024/12/19
自信を持つきっかけ
中学年図工室から
「トン、トン、トン…」
と、大きな音が聞こえます。
見に行くと、
金づちで木片に釘を打っていました。
立体作品の制作中です。
急に声をかけると
手元がくるって手を打ちそう。
黙って見守ります。
お、これは馬かな?
しっかりと形になってますね。
このあと、作品に
絵の具で着色するようです。
ある子が
「ウサギの目をかわいく
描きたいんだけど、
どうしたらいいですか?」
と、尋ねてきました。
少しアドバイスをすると
「ありがとうございます」
と席に戻り、その後、
「ほらっ!」
と、かわいく描けたウサギの目を
見せに来てくれました。
新任のころ、
私は低学年の図工の専科でした。
絵が得意な子も、
「苦手…」と言う子もいました。
苦手な子も、
上手に描きたいという気持ちは
持っているのです。
そのような子たちには
「何の絵を描きたいの?」
と尋ねて、それが犬であれば、
「まず、ながい丸を描いて、
それから…、ほら、描けた!」
と、簡単に描く方法を教えると、
少し興味を持って
それを真似して描き始めるのです。
それが漫画のようであっても
気にしません。
『とっかかり』になるのです、
絵に興味を持つことの。
描ける子には
「思うようにやってみなはれ」
と任せますが、
苦手な子、自信がない子には、
そのようなとっかかりで
小さな自信を持たせることを
学びました。
ウサギの目が上手に描けた子も、
あのアドバイスをきっかけに
絵の幅が少しでも広がればいいな…
と思います。