ひばりっこブログ
2016/07/01
「褒めること」
「今日は,みんな瞑想の姿勢がとても良かったので,ピヨちゃん!」
「やったー!」
クラスの黒板にピヨちゃんが増える度に,子どもたちは歓声をあげます。ピヨちゃんとは,クラスのみんなで頑張った時にもらえるご褒美のヒヨコのステッカーです。入学式から一つずつみんなで頑張った分だけピヨちゃんが増えて行き,ピヨちゃんが10個たまったら,ニワトリに変身します。
このピヨちゃんは,クラスの誰か1人でも出来なかったらもらうことができません。全員が頑張った時に,やっともらえるものなのです。こうして,ピヨちゃんをあげながら,クラスのみんなを褒める瞬間が,私もとても大好きです。
私が,日々心がけていることは,まさにこの「褒めること」です。このことを私が意識するようになったのは,数年前に読んだ菊地省三先生の本との出会いでした。
菊地省三先生はNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」にも取材されたことがある方です。“褒め言葉のシャワー”という実践が有名で,私も『学級崩壊立て直し請負人 大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命』(新潮社)や『小学校発!一人ひとりが輝くほめ言葉のシャワー』(日本標準)などの本を読み大変感銘を受けました。この本の中には,褒め言葉をたくさん言ってもらった子どもたちが,どんどん自信をつけて成長する姿が描かれています。
実際に,菊地先生の講演会にも足を運びクラスの様子を見せていただくと,褒め言葉のシャワーをたくさん浴びた子どもの顔が生き生きとし,とても自信に溢れていることに気がつきました。どうしても,私たちが生活する中では,人の“悪いところ”“できていないこと”に目が行きがちです。「家族の良いところを10個言ってごらん」と言われるより,「直してほしいところ(悪いところ)を10個言って」と言われた方が,すらすら言えるなんて話も良く聞きます。そんな中,この本の中にはたくさんの褒め言葉が溢れていて,とても温かい気持ちになります。それを意識すると,教室にはたくさんの褒め言葉を言える機会が溢れていることに気がつきました。
「発表の仕方がとても良かった。みんなのお手本になるね。」「いつも,プリントのくばりを自分から名乗りでてくれてありがとう。良く気がつくね。」「瞑想の姿勢が素晴らしい!」「とっても字がきれいですね。」そんな風に褒めると,褒められた子だけでなく,周りの子どもたちにも良い影響が広がっていきます。
褒められると,自信がつきます。自信がつくと,クラスの中で認められている自分を意識し,教室がとても居心地の良い場所になっていきます。子どもたちが自信をもって人生をおくれるように私も日々,子どもたちの良いところを褒めていきたいと思います。「先生!ニワトリが10羽あつまるとどうなるの?」と最近聞かれます。さて,何に変身するでしょうか。その答えが見られる日も,そう遠くはありません。