ひばりっこブログ

“ ル ー テ ィ ン ”

 最近,”ルーティン”という言葉をよく耳にします。ルーティンという言葉を初めて知ったのは,昨年のラグビーW杯の時でした。W杯では日本代表選手達が世界中の人々を驚かす活躍をし,特に注目されたのが五郎丸選手でした。フリーキックを蹴る前のあの有名なポーズに,日本中が興味を持ったのではないでしょうか。五郎丸選手が集中力を高めて安定したパフォーマンスを発揮するために決まった動作を行い,最後にあのポーズをする一連の動きをルーティンと呼ぶこと,そして,その言葉の意味を私と同様に初めて知った方は多かったのではないでしょうか。
 W杯がきっかけとなって,ルーティンという言葉が気になり,自分なりに調べてみました。ルーティンは,特に新しい言葉ではないそうです。そして,多くのスポーツ選手が行っていることが分かりました。先日閉幕したリオデジャネイロオリンピックで,体操男子個人総合で2連覇を果たした内村選手の跳馬の演技前に見せた両腕を前に伸ばし,目線の先で手のひらを縦に重ねる独特のポーズもルーティンです。また,イチロー選手がバッターボックスに入って,いつも相手ピッチャーにバットの先を向けるのもそうなのです。
 自分のルーティンを遂行している人の姿を観ると,何かこだわりの強い人に感じるかもしれません。しかし,実はそうではないのです。ルーティンを辞書でひくと,「決まりきった手続きや手順,一連の動き,動作,また日常の仕事,日課,習慣」とあります。何かに取り組む際,ルーティンを毎回きちんと行っていくと物事に集中できたり,精神を安定させたりできるというのです。場に応じた自分のベストパフォーマンスを行うために,まずは平常心を保ち集中力を高めていくわけです。それは,一流の選手であるほど独特であり,徹底して続けているのです。私達にもミスを減らしたり,効率を上げたりするためのルーティンが大なり小なりありますよね。
 では,小学生の段階では,生活の中でどのようなルーティンを身につければよいのでしょう。やはり大事なのは,「早寝・早起き・朝ごはん・朝うんち」だと思います。これらを毎日きちんと繰り返すことは,充実した学校生活を送るためにとても大切です。久しぶりに会った特別支援学校に勤める友人が,「受け持っている難聴の幼児は,生活習慣(ルーティン)が崩れると手話の習得率が落ちてくる。」と教えてくれました。我が家にも娘がいるので,夏休みの終わりに乱れがちだった生活習慣を2学期に向けて立て直していこうと,その大切さを一緒に考えました。また,このルーティンの話をクラスでした時,ある子が「『瞑想』は,ぼくたち雲雀っ子のルーティンだ。」と話してくれました。学習の始まりと終わりに行う瞑想は,まさしく子ども達にとって本校独自の大切なルーティンです。この話をした後,一人ひとりが自分なりに瞑想について考え,その行為の意味を再認識したことで,取り組む時の姿勢がより一層よくなったように感じました。ご家庭でも,”ルーティン”をキーワードにお子様と話をすることをお勧めします。私自身もこの原稿を書きつつ,自分自身のルーティンを見直してみようと思っています。