校長室の窓から

何が書いてあるのですか?(創立記念日特集③)

 脚立を使って,二宮像が持っている本を写真に撮ってみました。長年の風雨にさらされていますので,読みにくい部分もありますが,内容が分かりました。

    

    一家仁 一國興仁 一家讓 一國興讓 一人貪戻 一國作亂 其機如此 

    一(いっ)家(か)仁(じん)なれば 一(いっ)国(こく)仁に興(おこ)り 一家譲(じょう)なれば、一国譲に興り
    一人貪戻(たんれい)なれば 一国乱(らん)を作(な)す 其(そ)の機(き) 此(かく)の如(ごと)し  『大学』伝九章

    一家に仁愛の徳が満ち溢れると、国じゅうの人々が仁愛を行なおうと奮い立つ。
    一家に謙譲の徳が満ち溢れると、国じゅうの人々が謙譲を行なおうと奮い立つ。
    君主一人が貪欲で道理に背いているならば、国じゅうの人々は騒乱を起こすことになる。
   (国が治まることと、乱れることとの)発起点はこの通りである。

 優しさや思いやり,譲り合いの心は一人ひとりから,家,国へと広がるのだという考えと,リーダーが私利私欲にとらわれると国が乱れるということを説いていることが分かりました。起点が,家庭にあるということも分かりました。
 今,まさに全世界のコロナ禍で,『仁』『譲』そして『孝』の心を大切にし,広げていくことで困難に立ち向かうエネルギーが湧いてくるのではないかと思います。
 学園創立当時の方々の思いに触れ,勉強になりました。