心まにまに

ベル広場で芽を出す植物② 雑草園

学校の中には、

花壇や畑がたくさんあります。

ここに花や作物を植えるときに、

最初にする作業は「雑草抜き」です。

 

雑草は土中の養分を摂るので抜きますが、

逆に雑草が伸び放題の場所は、虫たちにとって

とても過ごしやすい場所です。

草の汁を吸ったり、身を隠したり、

卵を産み付けたり…と。

だから、わざと雑草を伸ばした場所を作ることは、

虫を観察するためには大切なのです。

 

ベル広場に、こんな場所があります。

低学年校舎の入り口に立つケヤキの木…ですが、

大事なのはケヤキの足元です。


ほら、雑草が伸び放題でしょう。

ベル広場の小さな『雑草園』です。

ここには4種類の雑草が生えています。

まずは、エノコログサ。ネコジャラシと呼ばれることが多いですね。

きれいに並んだ葉が特徴の、コミカンソウ。

エノキグサ、茎をまっすぐに伸ばしています。

カタバミ、ハート形の葉がかわいいですね。

子どもたちは「クローバー」と言いますが、

カタバミとクローバーは、まったくの別物です。

クローバーの葉は円いのです。

 

この雑草園には、いろいろな虫が集まってきます。

もっともよく来る虫は、シジミチョウ

大人の親指の爪ほどの、小さなチョウです。

 

今朝、見に行くと…、ほら、わかりますか?

画面の中央に羽を閉じたシジミチョウがいます。

 

今日は5頭ほどのシジミチョウが、

(チョウは学術的に一頭、二頭と数えます)

この雑草園の上を楽しそうに飛んでいました。

でも、撮影しようとすると、すぐに逃げていきます。

 

 

ふと、校舎の壁を見ると、

むむっ!

一頭のシジミチョウが壁にとまるそばに、

別のシジミチョウが羽を広げてとまりました。

 

しばらく観察すると…、

羽を広げたチョウが、少しずつ移動しています。

どんどん「お近づき」になって…

最後には、くっついて動かなくなりました。

息をひそめて、そっと横に回り込むと…


逆光で見づらいのですが、ひょっとして…。

また、そ~っと反対側に回り込むと…


やはり、交尾をしていました。

私がスマホを近づけて撮影しても、

逃げることはありません。

珍しいシーンなので、

子どもたちにも見せたかったなぁ!!

 

このあと、シジミチョウは

カタバミの葉に卵を産み付けることでしょう。

 

雑草園は虫にとっても、

子どもが観察の目を養うためにも、

とても大切な場所です。