心まにまに

大きな木の思い出


随分と昔の運動会の写真です。

観覧席から運動場を撮ったものですね。

 

今と違うところは‥、そう、

ヒマラヤスギの木が立っていること。

旗立台と比べると、

その大きさがよく分かります。

 

この当時、太陽が昇ると、

ヒマラヤスギは運動場に

大きな、大きな影をつくりました。

低学年は運動場でおにごっこをするときに、

「ヒマラヤスギの影の中は安全地帯、

 ここにオニは入っちゃダメ!」

そんなルールを作っていましたね。

まるで、ヒマラヤスギも

おにごっこに参加しているようでした。

 

しかし、

1993年6月、運動場拡張工事のため

このヒマラヤスギは伐採されました。

私は4年生の教室の窓から、

クラスの子どもとその瞬間を見守りました。

 

チェーンソーの音が、鳴りました。

それまで静かに見ていた子どもたちは

感情を抑えられなくなり、

「ヒマラヤスギぃ!さようならぁー!」

「今まで守ってくれて、ありがとぉー!」

と叫びました。

「切らないでー!」

という声もありました。

 

学園小のシンボルだったヒマラヤスギ。

それがなくなった校庭に慣れるには

随分と時間がかかりました。

 

ヒマラヤスギは、その後、

雲雀丘の校庭にもどってきました。

それが‥

旗立台の横に置かれている木のベンチです。

 

今も昔と同じ場所で、

ひばりっ子たちを見守っています。